2013年12月30日月曜日

記憶をコントロールする 分子脳科学の挑戦、という本を読んだ。





実は、こういうのは大抵難しいから、退屈なまま

流し読みで終わるというのが常である...




しかし、分厚い本ではないので読むのが苦痛というわけではない。

仮にもし、記憶をコントロールできたら

どんなにいい人生を送ることができるかを少し考えてみようと思う。

まずは、すぐに思いつくのが

テストの答えや解法の過程を記憶することだろう。

解法も記憶しなければならないのは

答えだけ覚えていても通用しないケースがあるからだ。

また、英単語なんかもすんなり覚えられたら

長文を読むのが楽しくてしょうがなくなるだろう。

道を覚える、人の顔や名前を覚える。

覚えているかもしれないが、

引き出しから出てこないため

使い物にならないなんてことは、山ほどある。

これらがすべて解決できるのだ。

そして、逆に覚えなくていいもの、

例えば漫画のストーリー、映画なんかはそうだ。

読み終わったり見終わったあとにすぐに記憶から消去すれば、

同じ感動や興奮が何度でも味わえる。(笑)

いやな思いでも消し去ってしまえば、

何年たっても忘れられない苦い思い出などに悩まされることもない。

しかし、それで幸せになれるかはまた別問題だ。

例えば人間は失敗からが一番多くを学べるという。

人から聞いただけでなく自分でやってみて失敗する。

一連の過程が、次のステップへの大きな糧となって、

人は成長できるのだ。

だから失敗の記憶は消さないほうがいいのだろう。

さもなければ同じ失敗を繰り返すことにもなりかねない。(苦笑)

ここまで、まあ長々といろいろな妄想をしてしまったが、

肝心の本の内容とはというと、

未来の脳科学者を輩出するという希望のための、

記憶のメカニズム解説の本である。

記憶は脳のどこに、どのように蓄えられるのか、

どのようにして正確に保持されるようになるのかを解説している。

そして面白かったのが、

思い出した記憶が不安定になるという事実のところだ。

一度記憶したものを思い出す過程で

他の情報の影響を受けて

記憶が書き換えられてしまうというのだ。

既に論文にもなっているほどに研究が進んでいるようだ。

妄想が好きな人と科学者志望の人には

研究の面白さが理解できるのであろうと分析する1冊である。
 

2013年12月26日木曜日

最大のチャンスと最高の評価を手に入れる 小室淑恵の人生プレゼン術、という本を読んだ。




うーん、表紙で買いかこれは...

キレイな、おね...(-_-;)





そんな人が表紙にバッチリ写っていると、もうそれだけで買いでしょう。

ジャケ買いしてもいいかもしれない。(汗)

で、実際中身のほうはというと、成長は不満の中に隠されている。

これはどんなビジネスにでも当てはまる共通認識である。

今の世の中に合わせて前向きになれるいい思考を

生み出せる仕組みづくりの一助として役に立てるだろうと感じた。

能力も意欲もあるのに、現状の組織や社会に閉塞感を

感じ燻っている次世代を担うべき

若手ビジネスパーソンをターゲットとしている。

ひょっとしてこれは自分のことだろうか?

何とかしなければ、今のまま終わっては

やりたいことも成し遂げられず人生が終わってしまう。

日ごろからそう考えているひとにはちょうどいい。

世の中を変えるためには、まず自分が変わらなければならない。

そのためには、チャンスをものにできるような

「プレゼン」のスキルが必要になってくる。

当初は著者でさえもプレゼンは失敗を重ねながら、

何度も何度も試行錯誤と練習を重ね

今の成功に至っている点が述べられている。

これはまさに人生を変えるプレゼンテーションスキルの

本質を捉えているのである。

地道に声に出して練習を繰り返すことで、

自分の表現技術が向上し思いを伝えられるようになる。

決して難しくはないのだが、中々継続して取り組むには、

しっかりとした決意がないとモノにはできない。

しかし、ビジネス本は一般にはスキルやテクニックの紹介にとどまり、

具体的な活用については、あまり触れられていないものが多い。

本書はそういった類のものとは違い、

体系立てたプレゼンストーリーに沿って解説されているので、

ストーリーを想像しながら読み進めれば、

プレゼン活用シーンもわかりやすく学ぶことができる。

不満を持ったとときに、どうするかを考える。

できないならどうすればできるようになるかを考える。

周りに価値のある情報を提供し、

共感してもらいそれをシェアする。

これは近頃勉強しているビジネスの格言とも言うべき内容だ。

そして極め付けが

「若いころに流さなかった汗は、歳をとってからの涙に変わる・・・」

日々を漫然と過ごすのではなく、

流されるだけの人生では本当にそうなってしまう。

高い壁があったとしても、それを乗り越えるのは今しかない。

改めてそう考え、行動していこうと戒められるのである。

とにもかくにも、できるビジネスウーマンと認識されている方々には

本当に尊敬の念を抱かずにはいられない。

読み返すのはもちろん、表紙だけでも毎日眺めて

モチベーションアップにつなげたい1冊である。
 

2013年12月24日火曜日

ディズニー魔法の会計、という本を読んだ。



読むと鳥肌が立ってゾクゾクと感じる、

そんなふうに心を揺り動かされる本というのは、

そうそう簡単に出会えるものではない、と思う。

多分...


おそらくは行ったことがない人はいないというぐらいに、

非常に身近な「ディズニー」を題材に会計学と

からめてビジネスモデルの分析をしている。

就活中?の大学院生が、とあるコンサル会社の面接を

受けるというストーリィ仕立てで、

難しくならないようビジネスに必要な考え方を学べるようになっている。

何度か行ったことがあるが、一日にどれだけの来場者数か?

とか気にはなっても、

真面目に考えたことのないことが面接の最初の質問だ。

これはネットの力を使えば間単に答えることができるが、

フェルミ推定を使って答えを求めるというプロセスが重視されている。

こういうのを聞くとへぇー、ほー、頭いいなぁなどと

純粋に感心してしまうのだが、

推定の材料となる数字すら持っていなかったら

どうしたらいいのでしょう?とかねてから若干の疑問を抱いている。

ディズニーランドの強さの秘密も、

他のテーマパークと比べてどう違うかとあわせて述べており、

ここでも成程、成程と思いながらスイスイ読んでいけた。

他にもディズニーランドのメインターゲットが誰か?

ゲストは一日平均いくら使っているか?であるとか

なぜバイトは年収200万でも活き活きと働くことができるのか?

夢の国の維持費はいったいどれくらいかかっているのか?

自分ではここまでビジネス目線で考えたりはしない内容が

盛りだくさんで非常におもしろかった。

そんなこんなで思わず感情移入してしまった、

ストーリィの登場人物である美女と野獣の組み合わせもナイスだ。

何だこの二人あとで付き合うのか!?

ほんのちょっとだけラブコメチックなところもあるとツボだ。

興味深い疑問はまだまだ続き、

ディズニーのホテルはいくら稼いでいるか?

オリエンタルランドの価値は?

ディズニーランドはどのくらい借金をしているのか?

儲かっているようにしか見えないけれども、

成長のための舞台裏も知ることが出来る。

また、本書の中にひっそりとかいてある

ウォルト・ディズニーの名言もいいね!ボタンを連打したくなるいい内容だった。

ここは格言として押さえておきたいところだと思う。

全編に渡りビジネスマインドの養成に役立つ

重要語句がちりばめられており、

朝の通勤時間を利用して読み始めたら最後、

かなり真面目に読み込んでしまった。

あともう少しってところで読み終えることが出来ず、

続きが気になってわざわざ昼休みもパンをかじりながら

読んだくらいに久しぶりに夢中になった。

そして最後に、あまり正解の答えを出せなかった

主人公の面接結果はどうなるかというと、、、

不本意な結末だったのである。

実は出来レースで最後の一枠を2人で争っていて敗れたのだった。

ところが、美女と野獣コンビが面接試験の過程において

ともに成長したことで最後は意外な結末に...

もっともこのあたりはおまけエピソードかもしれないのだが。

久々の大当たり、何だったらビジネスの教科書にしても

いいかもしれないと思える個人的に大絶賛の一冊である。
 

2013年12月19日木曜日

売り上げを2倍にする!ソーシャルメディア成功の方程式、という本を読んだ。




停滞する日本経済に失望し、給料も増えないまま

生活が苦しくなるというそんな毎日では人生がつまらない。





だから収入の柱を増やして安定した生活を送りたいなどと考えると

どうしても本業だけで稼ぐというのは、一介のサラリーマンには難しい話である。

せいぜい如何にして、残業代を稼ぐかとかに腐心しなければならない、

心休まらない日々を過ごすのが関の山である。

副業で何ができるか考えるとメディアの影響で、すぐに思いつくのは

流行りの!?ネットビジネスである、ように思う。

ネットビジネスにはSNSが必要になるが、これは準備してから

実際に商品を販売するまではかなり入念な準備をしなければ

決して成功できない厳しい世界であるということを知った。

リアルビジネスと同様マーケティングの知識も必要になる。

やみくもにアフィリエイトして、誰かが都合よく買ってくれるなどの

甘い考えでは、いつまで経っても稼ぐことはできないようである。

だから、今からすぐ無料でできることといえば、

本を読んで先人の知識から自分の状況をシミュレーションすることで

成功につなげる足がかりにするのは実によい方法なのではないかと思う。

そう考えて、借りてみたのがこの本だ。

実際に中小企業向けにソーシャルメディアの活用についての解説があり、

読みながら本来の目的なども考えることができる内容になっている。

ソーシャルメディアを利用すれば、バイラルを効かせた広告ができ、

経費削減と売り上げ増、従業員のモチベーションアップにも

つなげることができるのだとか。

注意するのはメディアの先に居るのは人ということだろう。

やはり相手を思い、コミュニケーションをしっかりとっていかなければ、

成果に繋がることはない。

メディア上でも挨拶は必要だし、一般的な生活サイクルにあわせた

使い方をしないとPRにもならない。

また、売れている商品やサービスはどういったもので、

なぜそれが支持されるのかであったり、

それがあなたにもたらすメリットとデメリットなども明確に伝える必要がある。

独自に収集してきたネットビジネスノウハウと成功の方程式を組み合わせ、

自身の成功と自由を手に入れるため、使ってはみたい一冊である。
 

2013年12月17日火曜日

経済大転換!貯蓄貧乏から脱出せよ!!デフレ脳からインフレ脳へ、という本を読んだ。


著者の写真がバーンとのっかってるハードカバーの本である。

綺麗な方が載っていると、そっちの方が
気になってしまいます。。。

とまぁ実際のところは著者の持論の展開というより、

取材に基づく記録なのであった。


トップエコノミスト&マーケット関係者が計11人で、

それぞれに経済の分析結果を展開していく。

なかでも気になるいい言葉がたくさんあったので、

どんどん紹介させていただこう。

「再分配し貸してない国の最大の問題は、富を生まないことです」

これは、言うまでもなく日本のことだ。

「経済がよくなりインフレになると、借り入れする人、

借り入れできる人が増えます。それはとりもなおさず

豊かになることのきっかけであって、

格差解消のもっとも正しい方法です」

さぁ、デフレを脱却するためにどうするべきか。

「長いデフレの過程で、人々はお金を愛しすぎたと思います。

お金は本来駄々の道具です。

本当に大切なのは一万円札という紙切れではなくて、

その向こうにある価値やイノベーションそのものです」

そうです、その人にとってどれだけ価値があるのか大事なんです。

「景気回復はリレーです。3本の矢ではありませんが、

次々とバトンタッチされなければならない。

設備投資や賃金までバトンが渡るのは後ろのほうになるのです」

少し長い目で考えないといけないということだ。

ただ、これまでのところ景気がよくなっている実感は特にないな。

実際のところ賃金にまで繋がるかは少々怪しいなと思っている。

最後にはエネルギーの話がある。

そうシェール革命である。

こればかりは一刻も早く実用化され安定供給まで至って欲しい。

昨今の原油価格はいったいどうなっているのだろうか。

レギュラーガソリンですら

いつの間にやら150円とか当たり前になっているし、

中東が調子に乗りすぎているのか、

それともWTIの仕業なのか、

高止まりするガソリン価格には嫌気がさしてくる。

燃料費も高いと光熱費への影響もあるし、

これでは来年、増税が始まったら

日本経済は立ち行かなくなるところまでくるだろうか?

それを回避するためには政府、企業、家計が

三位一体となって世界と戦える経済大国日本を

作り上げていかなければならないのだろう。

ともかく、大事なキーワードが随所にちりばめられている、

日本経済大転換に向けての準備として、是が非でも読んでおきたい一冊である。

2013年12月15日日曜日

池上彰の政治の学校、という本を読んだ。



さすがに教えるのがうまい、読みやすい、理解しやすい。

ここには、公明党と創価学会の関係を説明して

話題となった話もある。




どこかで、かつては年末年始のニュース解説か何かでも

新年を迎えたことよりも解説を継続したことによって

顰蹙を買っていたような話もみたことがあるが、

こういう揺ぎ無いスタンスがとても好きである。

なぜ日本の政治がうまくいかないかについては、

政治家が票集めに走る一方、

国民は幸せの青い鳥を求めているという、

言い得て妙な指摘をしている。

確かに、今度こそやってくれるだろうという期待が

いつも裏切られ続けていることも実感できる。

そしてインフレが進むと購買力が5%程度は下がることの指摘、

憲法9条改正に対する狡いカラクリ、

領土問題や選挙制度の仕組みの解説もあり、

うまくまとめられているので

興味深く引き込まれ、どんどん読み進めていくことができる。

また、民主主義の在り方を

アメリカ大統領選を引き合いに解説、

ころころ変わる日本の首相は十分な準備がないまま

総理大臣になるからお粗末なことが起きるという鋭い突っ込みもある。

あと特に面白かったのが官僚の解説のところである。

政治家を表に裏に支える存在としてとっても

プライドの高いヤツラなのだそうだ。

彼らの機嫌を損ねると国が動かなくなるほどの事態に発展するらしい。

ホントにそうなのか?

また、官僚の天下りが「組織を常に若返らせる」ための

実によくできたシステムなんだそうだ。

優秀でない官僚を定年まで省庁が面倒をみると

税金の無駄遣いになるそうだ。

就職先の斡旋など必要なかろうにと思うのだが、

そうすると国家公務員になりたい人が減って

優秀な人がいなくなってしまうので、

それはそれで問題だからと述べている。

そして最後にはポピュリズム政治からの脱却と

民主主主義を育てるためにどうするかと言う点にも触れ、

読者に問題意識を持つことの重要性を問う、

全般にわたってよくできている本だ。

今更の話になってしまったが、2013年夏の参院選前には

出会っておきたかった本である。

知識は次回の選挙にはぜひとも活用しようと思う一冊である。

2013年12月12日木曜日

虚構のアベノミクス 株価は上がったが、給料は上がらない、という本を読んだ。

ずいぶん昔の話になるが、超勉強法で有名になったあの大先生の本である。

つまるところアベノミクスがうまく機能していないということを

主張したいようであるが、若干難しい内容となっている。

しかも、文章の説明とグラフをリンクさせるのが

分かりにくくて難易度を高めているように感じた。

インフレ目標を達成できるか?に対しては

マネタリーベース、マネーストックが増えないので、

物価目標も達成できないという見方であった。

また、賃金は上がらないし、実体経済も改善しないという

この部分についても厳しい分析である。

ここで面白いのが、自動車業界のボーナス増額に対する詳細だ。

これは恒久的なものではなく一次的なものだというのだ。

報道では

「新興国などの販売拡大や円安進行によって業績が改善している」

といわれていたが、

実際は前年の落ち込みの反動や

エコカー補助金が起因しているのだそうだ。

実際エコカー補助金が終了した際は売り上げが落ち込んだらしい。

だから、税金が今回のボーナス増額の原資となったようである。

また、並々ならぬ企業努力の成果も反映したことも一因にあるらしい。

そのほかに自分自身に身近な電気料金の値上げについてだとか、

円安は企業利益をどう変化させるとか

国際暴落と金利高騰の危険の話とか

どうして行くべきかも述べられている。

日本経済建て直しの第一歩は教育である。

いい指摘である。

将来の日本を支える人材一人ひとりが正しい知識を

身につけ行動していかないと

いつまで経っても失われた時代が継続していくことになってしまう。

不安定な金融市場をウォッチしながらも

アベノミクスを理解するうえで、読んではおきたい一冊である。

2013年12月11日水曜日

金融の世界史 バブルと戦争と株式市場、という本を読んだ。

学生時代から歴史は好きになれなかったものだが、

やはり世界史が絡むととたんに

興味が薄くなってしまうのかもしれない。

ところで「兌換」って読み方は?

最初は読めませんでした...

だかん、交換することを意味するらしい。

そう書けば良いのにって違うか、

金融の専門用語だろうか?

こんな著者の問いかけがある。

「金融」というだけで何か難しいものだと

感じる人も多いのではないでしょうか?

はい、そうですね、

専門家だけが扱うものとして勝手に思い込んでいますよ。

確かに投信とかでも信託財産留保額?

何それ、はぁ?っという感じである。

ところで「金融」という言葉は英語のfinanceに対して

あてがわれた明治時代の造語なんだとか。

福沢諭吉の「西洋事情」の中に

金貨の融通を盛んにし世の便益なりとあるので

この「金貨の融通」を略して金融になったと思われるようだ。

そういう雑学チックなところは面白い。

金融とは、人間の欲が生んだ悪弊か?

それとも叡智の営みなのか?

シュメール人が発明したといわれる文字は

貸借記録の必要に迫られたものだったのだ。

ルネサンス期のイタリアに生まれた銀行・保険業、

そして大航海時代が自由な金融市場をもたらし、

国家間の戦争が株式・債券の基礎となった。

そして今日では進化したはずの国際市場で

相変わらずデフレ・インフレ・バブルが繰り返される。。。

金融史を振り返っても、私たちに分かることは

先行きの予測はまったく持って困難であるということだ。

読んだからといってお金持ちにはなれないが、

難しいといわれる金融を考えるためには少々の助けにはなると思う一冊である。

2013年12月10日火曜日

私たちはなぜ税金を納めるのか 租税の経済思想史、という本を読んだ。

ひょっとして、これはただの世界史か!?と思ってしまった。

- 税金 -

この言葉から何を連想するか。

何を買うにつけ毎日のように支払っている消費税、

(ついに、来年からは8%!!!)

毎月の給与から天引きされたり

年度末に収支を申告したりして収めなければならない所得税、

頭の痛い相続税、自動車税などなど、

税金にはさまざまな種類がある。

どんな税金であれ、現代の日本人にとって、

それは

「仕方なしに応じるもの」、

「できることなら負担を減らしたいもの」、

「何に使うか分からないけれども、とにかく納めなければならないもの」

といったイメージが強い。

えぇ、まったくそのとおりです。

おっしゃるとおり、激しく同意いたします。

これを読んで、その考えが変わったなどと思うはずがない。

納税は義務か、それとも権利なのか?

21世紀必読とはいえるかは難しいが税金論の本である。

私たち市民にとって、税金とはいったい何なのか?

国家にとって租税はただの財政調達手段に過ぎないのか、

それとも政策遂行手段なのか?

-世界の税制とそれを支えた経済思想の流れを辿り、

税の本質に迫るべき取り組みの本である。

世界史が好きなら読んでいて飽きないかもしれないと思った一冊である。
 

2013年12月4日水曜日

父は息子とどう向き合うか、という本を読んだ。

例によって図書館で、おっいいかもしれない?と思って手に取り

パラパラとチラ見して、よしいってみようというノリ で借りた本である。

プロローグの部分を読むととってもいいような気がしたのだ。

なぜなら、父と息子の関係は難しいっていうのだから。

13歳になってからどう接していくかが主題となっているようである。

私にはそんな年ごろの子どもはいないけれど、

まさに13歳からは段々と成長していく過程で、

思春期やら反抗期やらを親としての応じ方は悩ましいところだと思う。

かいつまんでいうと無理強いはよくないと言いたいらしい。

本書では、息子の進路について2つのコースが定義されている。

恐らくは大半がそう望むであろう

ノーマルコース(まっすぐ一段一段と進む)と

今の時代では珍しくもない

ジグザグコース(停滞しても、逸脱しても人生の階段を上る)

という2つだ。

おぉ、読み返しながら初めて気づいたわ!

という具合に、あとは随所にいいキーワードがちりばめられている。

例えば、

安定した人生などない、

求めれば与えられる、

急いで進め。

でも急いで進む路を決めなくていいなどである。

一番よかったのは「汚れっちまった悲しみに」という

中原中也の詩であった。

何か心を打たれたような気がしたのだ。

そして、どうしても謎だなぁと思ったのが

卒業証書の大切さを教える件のところで、

大切だという理由が

IDだから、

社会に出て効力を発揮する、

大卒が常態になった

という3つが挙げられている。

凡人にはこれで大切だと理解されるのだろうかと感じた。

少なくとも私には伝わってこなかった...

そのため、総じてあまり共感を呼ぶ内容ではないと思った。

ただ、最後に言ってはならない言葉っていうのを紹介させていただく。

これは誰もが、のど元までは出かかっているような言葉だと思うので。

「俺の給料で食わしてやっているのだ」

「おれはこんなに頑張っている。お前は何なんだ!」

うわーっ、ホントにポっと言ってしまいそうだ。。。

と気を付けたい警告と戒めの一冊である。

2013年12月3日火曜日

日本の景気は賃金が決める、という本を読んだ。

新書サイズなので小さいことが難点だが、図表がちゃんとしてるのが良いし、

筆者の宣言通り分かりやすく書いてあると思った。

景気対策が不十分だから賃金格差が広がったという理論である。

この賃金格差を表現するキーワードがまた面白く

 "男・大・正・長" で反対語は "女・小・非・短"

勘のいい人ならどういうことを意味するかは気づくかもしれない。

答えは男性、大企業、正社員、勤続長⇔女性、中小企業、非正規雇用、勤続短のことだ。

先の方は既得権益の受益者側の立場で、この後の方の属性に当てはまる

労働者の賃金を高くしないと景気は良くならないのだとか。

因みに既にガッツリ稼いでる人の給料がさらに増えても

幸福度にはつながらず、貯蓄のパラドクスとなるらしい。

本書で一番おぉ、成程ねと思ったのが、この理論を軸にした

日本経済を整理した賃金デフレは続く?の図である。

物価下落が企業利益を減らし、雇用悪化、賃金下落、格差拡大につながり

消費不足を引き起こし、更なる物価下落になるをことを表している。

そして、今まで金融緩和で景気回復を目論んできた人は、

この賃金デフレの悪循環の部分を考慮せず、物価下落と

不況というデフレの悪循環を断ち切ることだけにしか

注力してこなかったとの指摘である。

おぅ、それはいいこと言ったんじゃないだろうか。

あとは欧米のほうがパートで働く人が多いというデータとか、

賃金格差がずっと少ないとか意外な事実となる

データを引っ張りだしているのも面白い。

で、分析はいいけど一体どうするのってところが

書いてないなぁと思っていたら、何と最後の方に来ましたよ、

不動産バブルで景気回復大作戦。

まぁ、良いか悪いかは賛否両論なんだろうけども、

アベノミクスの3本の矢よりはよっぽど現実的な話にみえる。

1. 金融緩和から不動産価格を上昇させる
2. 公共事業を都市部に集める
3. 人口を都市部に集めてサービス業を充実させる

だだ、こういうのって国民一人がそう思ってもどうにも

ならんことではないだろうか。

それこそ本書を全国会議員に読ませ、考えさせるような対策をしないと

この国は救われないのでは!?などと思わずにはいられない一冊である。


日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)



2013年11月29日金曜日

2020年 石油超大国になるアメリカ--追い詰められる中国 決断を迫られる日本、という本を読んだ。

石油と言えば中東でしょう 

ところがこれからアメリカが石油で大成功的な

タイトルでは気になるので読んでみない訳にはいかないでしょう、

という例によってタイトル借りな本なのだが、正直スイスイ読めるなどということはなかった。

難易度が高いと何が論点なのかが頭に入ってこない、そんな部類の本であるかもしれない。

しかし、その中でも印象的だったのがアメリカが天然ガスの輸出に

力を入れ始めたというのがある。

そもそも天然ガスはアメリカでは余分なものという取扱いだったのだそうな。

高カロリーな食生活は余分だとは思わないのかしら。

また、シェールオイルとシェールガスも設備十分で次世代エネルギーとして

期待が高まるものらしい。

因みにこういうエネルギー関連の話題は先見の明に触れる機会として

結構おもしろいのではなかろうか、と思う。

そのほかには2章の戦争より外交戦略に力を入れる、

3章スーパーパワーでなくなるという話の中で、

ブッシュ大統領やオバマ大統領とアフガンの関係とかも、

その実が分かれば思わず、へぇと言いたくなった。

ここで引いたら負けやで!みたいなものがあって、もう引くに引けないような状況である模様。

また、後半部分では、中国がアジアを我が物顔に勢力を拡大しようと目論むも

ちっとも豊かになっていない話も読んでなるほどと思ってしまう。

生活水準が上がってないのは輸出で稼いだ金を

国営企業が浪費し続けているからだと述べられている。

また当の中国も貨幣価値の弱体化が進んでいるようだ。

もっともマネばかりで、しかもその品物の品質が著しく悪いものを作りながらも、

これっぽっちも悪びれない!?その国民性にはただ驚かされる。

あまり調子に乗っていると、バチがあたるなきっと...

もっとも、結論としては反中感情剥き出し、アメリカ最強説を唱えつつも

いったい日本はどうすりゃいいの?ということを考えるには

ちょうどこれにあった内容だった。

ただ、ビジネスマン必読といえるかは、難しいところであるが

もし、万が一、気が向いたのなら読んでもいいかもしれない一冊である。


2013年11月27日水曜日

「一緒に仕事ができて良かった!」と部下が喜んで働くチームを作る52の方法、という本を読んだ。

それは、英語の微妙なニュアンスが伝わらなかったりだとか、

そのままカタカナになっていることが一因なのだろうか。

やはり、外国人著者の翻訳本は面白くないものが多いのではないかと、

どうしてもそう思ってしまう。

実際に52の方法は最後の方につらつらと記載されている。

それまでの部分は、もっと大きなくくりで2部にわたってまとめている。

流石にそれら、52の方法をすべて羅列していくのは無駄だろうから、

ここでは気になった一文などを紹介していく形に留めておきたいと思う。

まず最も大事なことは「信頼」だ。

信頼しあえる会社ならば成長できる、そうした企業文化が機能すれば万事うまくいくのだそうだ。

企業を強靭化するための施策としては次の7つがある。

1. 危機を定義する
2. 顧客に焦点を合わせる
3. 俊敏になる
4. すべてを共有化する
5. 部下の才能を見出す
6. 互いに応援しあう
7. 責任を明確にする

これら詳細の解説は本書を読めばすぐわかるので、書いたりしない。

やはり、コミュニケーションの不備で情報が伝わらなかったり、

相手を思いやる気持ちがなければ、企業は成長できないのだと分かる。

至極当たり前のことだが、これが完璧にできている会社などは、そういくつもあるものではない。

中途半端だと、ついていきたくないリーダーとして

プロジェクトも回らない、そしてお金も回らないという悪循環になる。

また、本書で取り上げられており興味深い話はペプシ・チャレンジの報酬制度だ。

インセンティブ無くして、部下のモチベーションを下げるだけだ。

これは何かというとペプシコーラをどの様な戦略で販売していくかを研究した事例である。

スローガンはWe Sell Soda. 焦点を絞り込み、次の4つの価値観で収益をあげたのだという。

1. 地元市場での成功を固めよう
2. 今行動しよう。今日やろう。結果を出そう。
3. 目標を定め、進捗をチェックし、絶対勝とう
4. 互いに敬意を持とう

こういったいいところは、素直に取り入れて成功へのステップとしておきたい。

他にもいろいろとリーダー関連書籍と似たような、何処かでみた内容が

出てはいるような気がするのだが、要約があるので

そこをみてザックリと掴んでいければ、これからの自分に必要な力をつけることが

できるように思う。

ただ、結局52の方法とは何か、のまとめ方が個人的に好きなはなれないので、

おススメ度は、あまり高くはない1冊である。


2013年11月19日火曜日

いろどり社会が日本を変える、という本を読んだ。

いろどりってなんだ? と思いつつ取り敢えず借りてみた本である。

平たく言うと、老婆たちの葉っぱビジネスをそういうブランドとしてやっているということだ。

ここで初めて、いろどりとは「つまもの」のことを意味するのかと判明。

だからビジネスになる葉っぱとは、あの「料理に添えてあるつまもの」のことだ。

決してそこらに落ちてる葉っぱではない...

人や町、企業をつなぎ、事業を発展させることを生業とするプロデューサーが

地方都市で老人むけ町おこしビジネスをプロデュースしたことを事例として取り上げて

解説されているようだ。

たかがつまものかと思っていたが、これを主役にするための生産活動が

いろどりの方針でコンセプトは彩・食・健・美だそうだ。

そしてこの本のよい所は随所にイメージさせやすくするためのビジネスの図があることだ。

さらに、驚かされるのが田舎に普及したITで80代のおばあちゃんですら

PCやタブレットなど情報端末を活用し、PDCAサイクルで脳を活性化させ

生き生きとした生活を楽しんでいるのだとか。

孫にスマートフォンを買ってやったりしているそうな。

全くもって意外な事実だ。

このいろどりを農業だけでなく、漁業や商工業、創作活動やボランティアにまで広めて、

幸せな生活を送るためのいろどり社会をつくり日本を変えることができると述べている。

あとの章では成功法則と応用の解説がある。

そこにある7つの成功法則とはこれまでにあるビジネス書などとも共通した内容になっている。

やはり、王道なしなのだ。

愚直にそれぞれをこなしていかなければならないのだと分かる。

ただ、自分一人でここまで考えて実践するのは中々難しい、ほぼ不可能に近いかもしれない。

先人の英知の結晶を僅か数時間でトレースできるのが、読書のいいところだ。

因みにこの本は、いつもの自己啓発系の本としては大絶賛するほどの内容ではないと感じた。

しかし、ビジネスを図解して説明するためとか、後半のいろどり社会のまちづくり教育から目を惹く

キャッチコピーを探してみる分には参考書レベルにはいいかもしれない一冊である。


2013年11月12日火曜日

悩めるリーダーの羅針盤、という本を読んだ。

まず、驚いたことを書いておこう。

以前この著者の別の本を読んだという内容をツイートしたところ、

何と著者本人からリツイートがあったのだ。

正直、それはそれは驚いたものだ。

まさか突然本人から反応があるとは思いもしなかったからだ。

しかし、今回この本にその理由が書いてあった。

まさかの自分の本に対する読者の反応をWebで検索されていたのであった。

謎が一つ解決したところで、肝心の内容に触れよう。

やはり、出来るリーダーの思考は同じところに行きつくのだとわかる。

なぜならこの本の中でも、先日書いた

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方 と共通する部分があるからだ。

しかも日本が誇るリーダーたちから学ぶことという章でもバッチリ取り上げられている。

ところで、タイトルにもあるようにきっとこの本を手に取るのは悩んでいる人だろう。

グッジョブ!仕事の割に給料に反映されない今の時代にピッタリ合った内容になっている。

リーダーシップの在り方も変化していることにあわせ、

イマドキのリーダーに役立つ知恵の本を目指したとのことだ。

面白かった部分を挙げると、リーダーシップといえば、

天性のカリスマみたいなものがある人しかできないように思われがちだが、

スキルとして誰もが再現できるものとしていることだ。

そして、即決力を鍛える2つのコツは優柔不断な自分にもピッタリ。

また、チームの力をアップするリーダー術はぜひとも実践していきたいことが記載してある。

5章の歴史上の武将に学ぶリーダーシップのところでの豊臣秀吉の話。

キーワード「人心掌握術」、おぉこれは以前あの与沢翼の動画で

こんなタイトルのものがあった気がするぞ、そういえば。完全に脱線した。。。

再び日本の各リーダーに戻るとサッカーの長谷部誠、ソフトバンクの孫正義、

ユニクロの柳井正、落合博満、ローソンの新浪剛史、といった敏腕リーダーの手法なども

とても参考になる。200ページの中に短く凝縮させて重要なことがちりばめられている。

通勤時間の行き帰りで読めると思うので、

悩んでいるリーダーでなくても是非とも読んでおきたい一冊である。

2013年11月4日月曜日

金融ニッポン 市場再生への道、という本を読んだ。

まぁ、ほぼそのように捉えてもらっても間違いないだろう、と思う。

何せはじめにの部分にそう書いてあるのだから。。。(^^;)

曰く、日本経済は復活への好機を迎えているらしい。

確かに最近までの株価上昇、急落という波はあるものの、景気の気つまり気持ちの面では

少し上向きにはなってきたように思える。(これは単なるマスコミの誘導か?)

で、肝心の内容としては、主に日経新聞1面に掲載した内容と関連記事の

再編および経済関係?金融関係?の識者インタビューだ。

まぁ、普段新聞を読まないと別に使い古しとかそういう気にはならず新鮮に読める。

市場再生への道の一つとしては、成長分野にお金を流す仕組みをつくることらしい。

その中の一つとして長期投資を促す優遇税制の導入、所謂「日本版ISA」がある。

何それと思う方は例によってグーグル先生に聞いていただきたい。

それでも、イマイチつかみどころがない気がするのではあるが。

簡単に言うと、株式売却益の軽減税率が廃止されるので、

代わりに小額投資非課税制度を導入することだ。

もっと具体的には24年までの10年間に限り専用口座で株や投信を行うと、

買ってから5年は配当や売却益が非課税になるという制度なのだ。

だからといって何で、わざわざ新しく口座を開設しなければならないのか。

元々の口座に小額しかない場合は、ハッキリ言ってただの手間にしかならない。

現状、そちらの口座に入金できる余裕のある人間ばかりではないだろうに。

おそらく年間100万を超える資産運用をしているような、資産家にはとても身近な話題だ。

はたして、5年後に口座を移管する必要はあるのか?

慌てず、騒がず様子見をして、後から始めた人だけが得することなどはないか?

どうもいい加減な制度だと感じるのは私だけだろうか。。。

因みに現時点ではその取引用口座を準備してはいない。

今ある口座への影響は全く分かってないが、税率が戻ったら大変なのか?

銀行に預けるよりはよっぽど儲かっているような気がするが、

これがマイナスになるほど損害になるとか!?

2章は個人投資家の分析、3章は金融行政の模索、と最後の4章は地方を再生させる

という構成になっており、つまるところお金に関する知識を身につけ

資産運用で経済再生への道を作り、成長戦略にしていきましょうと

述べられているような気がする。

インパクトは弱いが読んでおいてもいいと思える1冊である。


金融ニッポン 市場再生への道

2013年10月20日日曜日

経済成長って、本当に必要なの?、という本を読んだ。

「そもそも、経済とは何のためにあるのか」

「私たちは経済に何を期待しているのか」

という質問について考える。

得てして外国人が書いた本の翻訳は退屈な話になっていることが多いと

勝手に思っているが、これは一味違う面白いところがあった。

それは、第一章 GDP 国内総生産の部分の話である。

GDPが上がっていると、経済がよくなっていると考える(実際そうだと思っていた)が、

その中身にはどのような数値で構成されているかを論じているところが非常に興味深かった。

具体的には、環境汚染でペットボトルの水を買うようになることや、

原油流出による莫大な処理費用や法的コスト、犯罪者を取り締まるための費用、

タバコが原因の肺がん治療費などこれらの費用がかかればかかるほど

GDPを押し上げるというのだ。

確かに何かを生産しているという観点ではカウントされてしまう。

また、逆のGDPとして含まれないものもどこか矛盾しているようで面白い。

こちらは原発の災害リスク費用、天然水のままではカウントされないのだが

その水を浄水場が管理するようになると水道料金に転嫁されGDPにプラスになること、

健康のためには欠かせない運動もウォーキングではただの時間の浪費だが、

スポーツクラブへ行けばそれでGDPになるとかである。

あとは、五章 暮らしの不安のヨーロッパでの取り組みを提示してあるところだろうか。

あまりにアメリカの具体的な話ではピンと来ないけれども

そのほかにも順序だって読んでいくことで何か興味が出てくるところがあるかもしれない。

そして、この本のすべてが凝縮されているのが、訳者あとがきである。

何故なら先の「そもそも、経済とは何のためにあるのか」の問いに

答えとして「経済は最大幸福を、最大多数の人々に、できるかぎり長期にわたって

提供するために存在する」とすぐにかいてあるからだ。

GDPが伸びていればいいというものではないのだ。

後世にわたって幸せが享受できるようになっていなければならないと述べている。

様々な事象に対する新たな視点を見出せるようになるための一冊として、

ビジネスマンへの推奨の一冊である。

2013年10月11日金曜日

アベノミクスが引き金になる 日本国債暴落のシナリオ、という本を読んだ。

アベノミクスはインフレを誘発し、財政を拡大して経済成長?いや正しくは再生か、

を目指しているその実態は着実に破綻への道を突き進んでいるという警鐘を鳴らしている。

誰も買わなくなった日本国債の暴落がそれを引き起こすというのだ。

そして、外国人投資家も虎視眈々とそれを狙っているらしい。

確かに増え続ける国の借金についてニュースを目にする度、

どうしてこんな状況でもっているのかが疑問に思う。

これまではそこで思考が止まっていたが、その部分について考えることができる。

ヤブ医者の間違った診断と処方箋は良い例えだと思った。

日本の産業構造が変わっているにも関わらず円安にすることでは経済が救われないというのだ。

輸出で儲かっていないので、燃料費の輸入にはコストがかかるので赤字になれば

日本の経済への信用が低下してしまうからだ。

そして、結局アベノミクスとは単なるバラマキを言い換えているだけの

ずる賢い政策なんだそうな。

国債は打ち出の小槌でも何でもなく、国民全体が引き受ける借金に他ならない

ということをしっかりと意識しているだろうか?

責任のあいまいさによって巧妙に隠されているが、

国債暴落危険はすなわちいずれは国民一人ひとりに降りかかってくる

問題であることを認識しておいてほしい。

日本国債の残高は今やおよそ800兆円近くにまで及んでいるらしい。

これが2000年では、300兆円だったというのだからこの十数年は

本当に異常事態であると気づかされる。

国債発行が税収を上回るなんて本当にありえない。

銀行などが仕方なく国債を買う理由が、他に投資先がないからという

何とも悲しい話ではないか。

さらに将来は強制的に加入させられて、真面目に保険料を払っている人すら

バカをみることになりかねない国民年金。

これはドイツ並みの高受益で、アメリカ並みの低負担だという。
(今ですら保険料が高すぎると感じているのだが。。。)

おかしなからくりばかりで甘い汁を吸い続けてきた既得権益の奴らには本当に腹立たしい。

責任のあいまいさもあって、こんなにも日本はおかしくなってしまったのだ。

すぐに取り組むべき対策として、リスク分散型の投信・株で資産運用をしておくことだ。

そして、収入減を複数持つことであるという。

まぁ、まとめとしては、言ってることは間違っていないのだが、

ユダヤ人最強説が嫌だ。個人的にそこが難点かなぁ。

2013年10月6日日曜日

ハイブリッド・バブル 日本経済を追い込む国際暴落シナリオ、という本を読んだ。

なにが、ハイブリッドなのか?ハイブリッドカーか?プリウスなのか?などという

ふざけた話は置いといて、本書では日本国債の暴落の危険性を細やかに分析している。

これによると、2013年4月4日日本国債のバブルが崩壊することが決定したらしい。

これを、日銀おひとりさまバブルと述べている。

巷でよく言われるのが、銀行預金では雀の涙程の金利しかつかない、

その他に株より安定的かつ魅力的な資産運用考えると国債にしようという考えだ。

そして、国債は日銀が買い続けるので当面暴落なんてありえないという誤った認識を持ち、

近い将来も値上がりするだろうとの予測でどんどん買い続ける...

この行動が危険信号であるとの指摘だ。

日銀の政策転換で国債の価格下落が全く無視されてしまっていると。

日銀がひたすらに買い続けるバブル。

そこで迎える結末が、国債依存症となった金融機関の安楽死、

ひいては日本経済そのものが安楽死するというのだ。黒田バズーカ砲によって急激に膨らんだ

バブルの出口は、景気が回復し万が一物価上昇率が2%を達した時に

必然的に金融緩和が縮小へ向かうことだ、と。

実際に乱高下する様相からバブルの最終局面を迎えているとも。

さて、ここで冒頭の何がハイブリッド・バブルなのかという説明について触れておこう。

本書で定義する3つのカテゴリに分類した投資家たち、

特に第2カテゴリの合理的に国債を保有する投資家と

第3カテゴリの安定的に国債を買い続ける投資家たちがつくる取引均衡をそう表現している。

因みに第1カテゴリは国債を買わない投資家だそうだ。

また、こうしたハイブリッド・バブルを構成する投資家たちによって

国債の安定性が飛躍的に上昇し市場を20年以上にわたり安定させてきたのだという。

なるほど、それならば今の今まで国内保有率が圧倒的で

安定しているという神話が成り立っていたことも納得できるかもしれない。

アベノミクスの3本の矢の第一の矢(大胆な金融政策)と

第二の矢(機動的な財政政策)をつなぐ国債が果たす役割を

実態民間経済のに当てはめながら分析する、いい取り組みを行っていると思う。

どうもこれによると、結局黒田総裁の異次元量的緩和は、最終局面に入っている

国債バブルを急激に膨張、収縮させるリスクを高め国債崩壊を確実にしたのだとか。

言うなればやっちまったなぁ、黒田さんってことか。

何か為替介入と勘違いしてない?との見方をされているようだ。

デフォルトしちゃうのかねぇ、心配だねぇ。

2013年9月27日金曜日

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方、という本を読んだ。

タイトルからして、ビジネスマン必読の雰囲気を醸し出している。

全部が全部そうだと、共感できるわけではないが中々の良書ではないかと思う。

リーダーとはなろうとするものではなく、

まわりに推されてなるものだという

ごく普通のオジサン?の持論が展開されていく。

自己紹介を見ていくと、いくつもの会社で役員を務めながら業績を

V字回復させてきた実績の持ち主なのである。

肝心の内容は以下のようなものがある。

リーダーはカッコいいとは限らない

(努力を見てくれている人は必ずいる、頑張っていれば事態は好転する)

そして我こそがリーダーだなどと息巻く必要もないし、示さなくてもよい。

自分を修めようと頑張って自分を高めることで

自然とリーダーになる道が開けるのである、そう書いてあったのでとても気が楽になった。

スタバ時代を通じてのエピソードで「3つの円」が重なるところに

ヒントがあるという部分で覚えておきたいのがこれだ。

「情熱を持って取り組めるもの」

「自社が世界一になれる部分」

「経済的原動力にになるもの」

この3つが重なる部分に集中して向かうというのだ。

それを考える必要がある。

次にここも大事だと思うので、挙げておく。

リーダーは饒舌でなくても構わない(リーダーの方から部下の意見を積極的に聞く)

「一緒にやっていこう、という姿勢を打ち出すことが重要なのである。」

ぜひとも心に刻み込んでおきたい。

リーダーは人のすることを信じてはいけない。

(人を信じてもいいけれど、人のすることを信じてはいけない)

正しい事実を求める努力が重要である。

一番に事実を重要視することは意識的に取り組んでいかなければならない。

とここで、興味深い一節があったので取り上げておきたい。

人間に与えられている時間は、誰に対しても平等、一日24時間しかない。

その時間をどう有効に無駄なく使うことを意識できるか。

エレベーターの「行き先階」「閉まる」どちらのボタンを先に押すべきか。

その答えは、「閉まる」を先に押すことなのだとか。

こうすることで、わずかコンマ数秒ではあるが早く扉を閉める指示が出せる。

これが積み重なって大きな時間を手にできるというのだ。

時間効率を意識する基本動作があるか、

そういくことを早くから身につけているかで

生み出す結果が大きく違ってくるのであるのだとか。

また、いいなと思った名言があるので掲載しておく。

「レンガの壁がそこにあるのには、理由がある。僕の行く手を阻むためにあるのではない。

その壁の向こうにある『何か』を自分がどれほど真剣に望んでいるか、

証明するチャンスを与えているのだ」(ランディ・パウシュ)

そして、最後にふと発行部数を見ると何と24刷となっているではないか。

えぇっ、意外と出てるんだなこの本、とちょっと驚いた。

というわけで、

アナタにもきっと心が揺さぶられる内容がある、ビジネスマン必読の一冊である。

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方

2013年9月24日火曜日

安倍改憲政権の正体、という本を読んだ。

ワンコインブック!? ただしKindleではない...

なんだろうこの薄さ、図書館でこれが出てきたときはマジで驚いたのだ。

ネットでタイトルだけ見て、取り敢えず借りてみるかなんて

気軽に予約したものが、これは本なのかという薄さだ。

そして価格は何と500円+税 まぁ上がるか据え置きかが注目の

消費税が5%の現在は525円なんだけど、

しかし、内容は良かった。

こんなところでもさらに意外性を発揮している。

アメリカに媚び諂う安倍政権をどう見るか

アベノミクスは新自由主義と土建屋政治のアベノミックスであるとか

いざなみ景気がジョブレス・リカバリーとか

ジョブレス・リカバリーであったことの説明とか

(確かに、仰る通り戦後最長の好景気の実感など全くなかった!!)

憲法9条改正は戦争に参戦できるようにする問題を孕んでいる点や

沖縄を軽んじている点とか原発輸出への憤りや懸念とか

しょこタンがポツンとボッチで話題となった!?あの新宿御苑での

ももクロと写真についての記載もあり、

長嶋茂雄、松井秀喜の国民栄誉賞授与は安倍首相のただの

パフォーマンスでしかないという鋭い指摘があった。

そして、橋下徹の従軍慰安婦発言にも触れ、恥ずかしい国へ向かっているという結び

薄い本ながらも様々な分析が分かりやすくまとめられているので、

読んでおくべき、おススメしたい一冊である。

2013年9月22日日曜日

意外と知らない?身近にあるサイエンス!学校で習った「法則・定理」ほんとうの使い道、という本を読んだ。

物理・数学・化学・天文・生物 

こうした理系の科目と日常生活の事象との関係が分かると

勉強がますます楽しくなると思う。

まぁ、自分の場合は天文はやらなかったが

高校の時は一体こんなこと何の役に立つんだって本当に思っていた。

これらの科目を大人になった今、再度見直してみるのにいい機会かもしれない。

ただ、これらの科目は学生時代に、まずはとりあえずは、いい先生に巡り合わないと

嫌いになったまま終わってしまうという難敵である。

この本は、物理とか数学だとわりと日常生活に近いところの解説になっているから、

読んでいて楽しいのではないだろうか、特に理系なら尚更だ。

物理なら慣性の法則(電車の話)や万有引力の法則(潮の満ち引き)、

数学ならピタゴラスの定理(テレビ)や確立とゲーム理論といった具合に

かなり楽しめる。

ただ、自分が当時面白いとか好きかもと思えなかった科目については、

やっぱり、今も興味は湧いてこなかった。

だから化学はツマランし、以外にも天文では太陽の話は面白かったけれど、

生物でのエンドウマメの遺伝の話はさっぱり分からんかった。(-_-;)

表紙の ようやく納得、この疑問。という記載は総合的に考えると、

そもそも疑問に思ってすらいなかったり、疑問と結びつくのか

などどいう問題があるから、それ程おススメ度は高くないという評価をする一冊である。