読むと鳥肌が立ってゾクゾクと感じる、
そんなふうに心を揺り動かされる本というのは、
そうそう簡単に出会えるものではない、と思う。
多分...
おそらくは行ったことがない人はいないというぐらいに、
非常に身近な「ディズニー」を題材に会計学と
からめてビジネスモデルの分析をしている。
就活中?の大学院生が、とあるコンサル会社の面接を
受けるというストーリィ仕立てで、
難しくならないようビジネスに必要な考え方を学べるようになっている。
何度か行ったことがあるが、一日にどれだけの来場者数か?
とか気にはなっても、
真面目に考えたことのないことが面接の最初の質問だ。
これはネットの力を使えば間単に答えることができるが、
フェルミ推定を使って答えを求めるというプロセスが重視されている。
こういうのを聞くとへぇー、ほー、頭いいなぁなどと
純粋に感心してしまうのだが、
推定の材料となる数字すら持っていなかったら
どうしたらいいのでしょう?とかねてから若干の疑問を抱いている。
ディズニーランドの強さの秘密も、
他のテーマパークと比べてどう違うかとあわせて述べており、
ここでも成程、成程と思いながらスイスイ読んでいけた。
他にもディズニーランドのメインターゲットが誰か?
ゲストは一日平均いくら使っているか?であるとか
なぜバイトは年収200万でも活き活きと働くことができるのか?
夢の国の維持費はいったいどれくらいかかっているのか?
自分ではここまでビジネス目線で考えたりはしない内容が
盛りだくさんで非常におもしろかった。
そんなこんなで思わず感情移入してしまった、
ストーリィの登場人物である美女と野獣の組み合わせもナイスだ。
何だこの二人あとで付き合うのか!?
ほんのちょっとだけラブコメチックなところもあるとツボだ。
興味深い疑問はまだまだ続き、
ディズニーのホテルはいくら稼いでいるか?
オリエンタルランドの価値は?
ディズニーランドはどのくらい借金をしているのか?
儲かっているようにしか見えないけれども、
成長のための舞台裏も知ることが出来る。
また、本書の中にひっそりとかいてある
ウォルト・ディズニーの名言もいいね!ボタンを連打したくなるいい内容だった。
ここは格言として押さえておきたいところだと思う。
全編に渡りビジネスマインドの養成に役立つ
重要語句がちりばめられており、
朝の通勤時間を利用して読み始めたら最後、
かなり真面目に読み込んでしまった。
あともう少しってところで読み終えることが出来ず、
続きが気になってわざわざ昼休みもパンをかじりながら
読んだくらいに久しぶりに夢中になった。
そして最後に、あまり正解の答えを出せなかった
主人公の面接結果はどうなるかというと、、、
不本意な結末だったのである。
実は出来レースで最後の一枠を2人で争っていて敗れたのだった。
ところが、美女と野獣コンビが面接試験の過程において
ともに成長したことで最後は意外な結末に...
もっともこのあたりはおまけエピソードかもしれないのだが。
久々の大当たり、何だったらビジネスの教科書にしても
いいかもしれないと思える個人的に大絶賛の一冊である。