著者の写真がバーンとのっかってるハードカバーの本である。
綺麗な方が載っていると、そっちの方が
気になってしまいます。。。
とまぁ実際のところは著者の持論の展開というより、
取材に基づく記録なのであった。
トップエコノミスト&マーケット関係者が計11人で、
それぞれに経済の分析結果を展開していく。
なかでも気になるいい言葉がたくさんあったので、
どんどん紹介させていただこう。
「再分配し貸してない国の最大の問題は、富を生まないことです」
これは、言うまでもなく日本のことだ。
「経済がよくなりインフレになると、借り入れする人、
借り入れできる人が増えます。それはとりもなおさず
豊かになることのきっかけであって、
格差解消のもっとも正しい方法です」
さぁ、デフレを脱却するためにどうするべきか。
「長いデフレの過程で、人々はお金を愛しすぎたと思います。
お金は本来駄々の道具です。
本当に大切なのは一万円札という紙切れではなくて、
その向こうにある価値やイノベーションそのものです」
そうです、その人にとってどれだけ価値があるのか大事なんです。
「景気回復はリレーです。3本の矢ではありませんが、
次々とバトンタッチされなければならない。
設備投資や賃金までバトンが渡るのは後ろのほうになるのです」
少し長い目で考えないといけないということだ。
ただ、これまでのところ景気がよくなっている実感は特にないな。
実際のところ賃金にまで繋がるかは少々怪しいなと思っている。
最後にはエネルギーの話がある。
そうシェール革命である。
こればかりは一刻も早く実用化され安定供給まで至って欲しい。
昨今の原油価格はいったいどうなっているのだろうか。
レギュラーガソリンですら
いつの間にやら150円とか当たり前になっているし、
中東が調子に乗りすぎているのか、
それともWTIの仕業なのか、
高止まりするガソリン価格には嫌気がさしてくる。
燃料費も高いと光熱費への影響もあるし、
これでは来年、増税が始まったら
日本経済は立ち行かなくなるところまでくるだろうか?
それを回避するためには政府、企業、家計が
三位一体となって世界と戦える経済大国日本を
作り上げていかなければならないのだろう。
ともかく、大事なキーワードが随所にちりばめられている、
日本経済大転換に向けての準備として、是が非でも読んでおきたい一冊である。