2013年9月18日水曜日

日本銀行論 金融政策の本質とは何か、という本を読んだ。

中央銀行の意義を明快に説く!だけに中身は非常に興味深い構成になっている。

私自身の感想を簡単にいうと、デフレの責任としては、政府も日銀もどっちもどっちという

理解が正しいのではないかという結論に至る。

政治家の経済政策の「無策」の責任は日銀に押し付けられた、という主張である。

つまり、中央銀行の金融政策だけでは、経済成長を促進できない。

マネタリーベースだけが増えても意味がないのだ。

日銀が市中の銀行にお金を貸出し、そのお金を企業が借り入れることでマネーストックとなり、

設備投資や雇用が生まれ経済活動の歯車が回りだすのだ。

そして既に日銀は十分な規制緩和を行っており、これ以上は国際暴落で経済への

大打撃というシナリオが待っているのだとか。

あと他に面白いのがかつての日銀総裁白川氏がデフレ下の安定を保っていたという評価だ。

誰が言ったんだか知らないが、そうだね、もっともだね(ーー;)

こんなこと安定させる必要ないっつうの!!

そして、実質破綻のゾンビ企業は本当に存在するのか、97年にようやく確立された

日銀の独立性は本当に必要なのか。

この辺りは読み手が考えていく必要があると思った。

因みに総裁のクビ切り権が政府にあると、国債発行が無尽蔵に行われそれを日銀に

買い取らせるという禁断の魔術的なものが行われるのがよくないらしい。

この本で読むべきは第2章 現在にいたる日本経済と日銀の歩み、

第5章 これからの経済と金融政策の在り方の2つだ。

だから、金融に関する知識を付けるためにも必須とは言わないが、

ぜひとも読んだ方がいい一冊に分類する。