2013年12月30日月曜日

記憶をコントロールする 分子脳科学の挑戦、という本を読んだ。





実は、こういうのは大抵難しいから、退屈なまま

流し読みで終わるというのが常である...




しかし、分厚い本ではないので読むのが苦痛というわけではない。

仮にもし、記憶をコントロールできたら

どんなにいい人生を送ることができるかを少し考えてみようと思う。

まずは、すぐに思いつくのが

テストの答えや解法の過程を記憶することだろう。

解法も記憶しなければならないのは

答えだけ覚えていても通用しないケースがあるからだ。

また、英単語なんかもすんなり覚えられたら

長文を読むのが楽しくてしょうがなくなるだろう。

道を覚える、人の顔や名前を覚える。

覚えているかもしれないが、

引き出しから出てこないため

使い物にならないなんてことは、山ほどある。

これらがすべて解決できるのだ。

そして、逆に覚えなくていいもの、

例えば漫画のストーリー、映画なんかはそうだ。

読み終わったり見終わったあとにすぐに記憶から消去すれば、

同じ感動や興奮が何度でも味わえる。(笑)

いやな思いでも消し去ってしまえば、

何年たっても忘れられない苦い思い出などに悩まされることもない。

しかし、それで幸せになれるかはまた別問題だ。

例えば人間は失敗からが一番多くを学べるという。

人から聞いただけでなく自分でやってみて失敗する。

一連の過程が、次のステップへの大きな糧となって、

人は成長できるのだ。

だから失敗の記憶は消さないほうがいいのだろう。

さもなければ同じ失敗を繰り返すことにもなりかねない。(苦笑)

ここまで、まあ長々といろいろな妄想をしてしまったが、

肝心の本の内容とはというと、

未来の脳科学者を輩出するという希望のための、

記憶のメカニズム解説の本である。

記憶は脳のどこに、どのように蓄えられるのか、

どのようにして正確に保持されるようになるのかを解説している。

そして面白かったのが、

思い出した記憶が不安定になるという事実のところだ。

一度記憶したものを思い出す過程で

他の情報の影響を受けて

記憶が書き換えられてしまうというのだ。

既に論文にもなっているほどに研究が進んでいるようだ。

妄想が好きな人と科学者志望の人には

研究の面白さが理解できるのであろうと分析する1冊である。
 

2013年12月26日木曜日

最大のチャンスと最高の評価を手に入れる 小室淑恵の人生プレゼン術、という本を読んだ。




うーん、表紙で買いかこれは...

キレイな、おね...(-_-;)





そんな人が表紙にバッチリ写っていると、もうそれだけで買いでしょう。

ジャケ買いしてもいいかもしれない。(汗)

で、実際中身のほうはというと、成長は不満の中に隠されている。

これはどんなビジネスにでも当てはまる共通認識である。

今の世の中に合わせて前向きになれるいい思考を

生み出せる仕組みづくりの一助として役に立てるだろうと感じた。

能力も意欲もあるのに、現状の組織や社会に閉塞感を

感じ燻っている次世代を担うべき

若手ビジネスパーソンをターゲットとしている。

ひょっとしてこれは自分のことだろうか?

何とかしなければ、今のまま終わっては

やりたいことも成し遂げられず人生が終わってしまう。

日ごろからそう考えているひとにはちょうどいい。

世の中を変えるためには、まず自分が変わらなければならない。

そのためには、チャンスをものにできるような

「プレゼン」のスキルが必要になってくる。

当初は著者でさえもプレゼンは失敗を重ねながら、

何度も何度も試行錯誤と練習を重ね

今の成功に至っている点が述べられている。

これはまさに人生を変えるプレゼンテーションスキルの

本質を捉えているのである。

地道に声に出して練習を繰り返すことで、

自分の表現技術が向上し思いを伝えられるようになる。

決して難しくはないのだが、中々継続して取り組むには、

しっかりとした決意がないとモノにはできない。

しかし、ビジネス本は一般にはスキルやテクニックの紹介にとどまり、

具体的な活用については、あまり触れられていないものが多い。

本書はそういった類のものとは違い、

体系立てたプレゼンストーリーに沿って解説されているので、

ストーリーを想像しながら読み進めれば、

プレゼン活用シーンもわかりやすく学ぶことができる。

不満を持ったとときに、どうするかを考える。

できないならどうすればできるようになるかを考える。

周りに価値のある情報を提供し、

共感してもらいそれをシェアする。

これは近頃勉強しているビジネスの格言とも言うべき内容だ。

そして極め付けが

「若いころに流さなかった汗は、歳をとってからの涙に変わる・・・」

日々を漫然と過ごすのではなく、

流されるだけの人生では本当にそうなってしまう。

高い壁があったとしても、それを乗り越えるのは今しかない。

改めてそう考え、行動していこうと戒められるのである。

とにもかくにも、できるビジネスウーマンと認識されている方々には

本当に尊敬の念を抱かずにはいられない。

読み返すのはもちろん、表紙だけでも毎日眺めて

モチベーションアップにつなげたい1冊である。
 

2013年12月24日火曜日

ディズニー魔法の会計、という本を読んだ。



読むと鳥肌が立ってゾクゾクと感じる、

そんなふうに心を揺り動かされる本というのは、

そうそう簡単に出会えるものではない、と思う。

多分...


おそらくは行ったことがない人はいないというぐらいに、

非常に身近な「ディズニー」を題材に会計学と

からめてビジネスモデルの分析をしている。

就活中?の大学院生が、とあるコンサル会社の面接を

受けるというストーリィ仕立てで、

難しくならないようビジネスに必要な考え方を学べるようになっている。

何度か行ったことがあるが、一日にどれだけの来場者数か?

とか気にはなっても、

真面目に考えたことのないことが面接の最初の質問だ。

これはネットの力を使えば間単に答えることができるが、

フェルミ推定を使って答えを求めるというプロセスが重視されている。

こういうのを聞くとへぇー、ほー、頭いいなぁなどと

純粋に感心してしまうのだが、

推定の材料となる数字すら持っていなかったら

どうしたらいいのでしょう?とかねてから若干の疑問を抱いている。

ディズニーランドの強さの秘密も、

他のテーマパークと比べてどう違うかとあわせて述べており、

ここでも成程、成程と思いながらスイスイ読んでいけた。

他にもディズニーランドのメインターゲットが誰か?

ゲストは一日平均いくら使っているか?であるとか

なぜバイトは年収200万でも活き活きと働くことができるのか?

夢の国の維持費はいったいどれくらいかかっているのか?

自分ではここまでビジネス目線で考えたりはしない内容が

盛りだくさんで非常におもしろかった。

そんなこんなで思わず感情移入してしまった、

ストーリィの登場人物である美女と野獣の組み合わせもナイスだ。

何だこの二人あとで付き合うのか!?

ほんのちょっとだけラブコメチックなところもあるとツボだ。

興味深い疑問はまだまだ続き、

ディズニーのホテルはいくら稼いでいるか?

オリエンタルランドの価値は?

ディズニーランドはどのくらい借金をしているのか?

儲かっているようにしか見えないけれども、

成長のための舞台裏も知ることが出来る。

また、本書の中にひっそりとかいてある

ウォルト・ディズニーの名言もいいね!ボタンを連打したくなるいい内容だった。

ここは格言として押さえておきたいところだと思う。

全編に渡りビジネスマインドの養成に役立つ

重要語句がちりばめられており、

朝の通勤時間を利用して読み始めたら最後、

かなり真面目に読み込んでしまった。

あともう少しってところで読み終えることが出来ず、

続きが気になってわざわざ昼休みもパンをかじりながら

読んだくらいに久しぶりに夢中になった。

そして最後に、あまり正解の答えを出せなかった

主人公の面接結果はどうなるかというと、、、

不本意な結末だったのである。

実は出来レースで最後の一枠を2人で争っていて敗れたのだった。

ところが、美女と野獣コンビが面接試験の過程において

ともに成長したことで最後は意外な結末に...

もっともこのあたりはおまけエピソードかもしれないのだが。

久々の大当たり、何だったらビジネスの教科書にしても

いいかもしれないと思える個人的に大絶賛の一冊である。
 

2013年12月19日木曜日

売り上げを2倍にする!ソーシャルメディア成功の方程式、という本を読んだ。




停滞する日本経済に失望し、給料も増えないまま

生活が苦しくなるというそんな毎日では人生がつまらない。





だから収入の柱を増やして安定した生活を送りたいなどと考えると

どうしても本業だけで稼ぐというのは、一介のサラリーマンには難しい話である。

せいぜい如何にして、残業代を稼ぐかとかに腐心しなければならない、

心休まらない日々を過ごすのが関の山である。

副業で何ができるか考えるとメディアの影響で、すぐに思いつくのは

流行りの!?ネットビジネスである、ように思う。

ネットビジネスにはSNSが必要になるが、これは準備してから

実際に商品を販売するまではかなり入念な準備をしなければ

決して成功できない厳しい世界であるということを知った。

リアルビジネスと同様マーケティングの知識も必要になる。

やみくもにアフィリエイトして、誰かが都合よく買ってくれるなどの

甘い考えでは、いつまで経っても稼ぐことはできないようである。

だから、今からすぐ無料でできることといえば、

本を読んで先人の知識から自分の状況をシミュレーションすることで

成功につなげる足がかりにするのは実によい方法なのではないかと思う。

そう考えて、借りてみたのがこの本だ。

実際に中小企業向けにソーシャルメディアの活用についての解説があり、

読みながら本来の目的なども考えることができる内容になっている。

ソーシャルメディアを利用すれば、バイラルを効かせた広告ができ、

経費削減と売り上げ増、従業員のモチベーションアップにも

つなげることができるのだとか。

注意するのはメディアの先に居るのは人ということだろう。

やはり相手を思い、コミュニケーションをしっかりとっていかなければ、

成果に繋がることはない。

メディア上でも挨拶は必要だし、一般的な生活サイクルにあわせた

使い方をしないとPRにもならない。

また、売れている商品やサービスはどういったもので、

なぜそれが支持されるのかであったり、

それがあなたにもたらすメリットとデメリットなども明確に伝える必要がある。

独自に収集してきたネットビジネスノウハウと成功の方程式を組み合わせ、

自身の成功と自由を手に入れるため、使ってはみたい一冊である。
 

2013年12月17日火曜日

経済大転換!貯蓄貧乏から脱出せよ!!デフレ脳からインフレ脳へ、という本を読んだ。


著者の写真がバーンとのっかってるハードカバーの本である。

綺麗な方が載っていると、そっちの方が
気になってしまいます。。。

とまぁ実際のところは著者の持論の展開というより、

取材に基づく記録なのであった。


トップエコノミスト&マーケット関係者が計11人で、

それぞれに経済の分析結果を展開していく。

なかでも気になるいい言葉がたくさんあったので、

どんどん紹介させていただこう。

「再分配し貸してない国の最大の問題は、富を生まないことです」

これは、言うまでもなく日本のことだ。

「経済がよくなりインフレになると、借り入れする人、

借り入れできる人が増えます。それはとりもなおさず

豊かになることのきっかけであって、

格差解消のもっとも正しい方法です」

さぁ、デフレを脱却するためにどうするべきか。

「長いデフレの過程で、人々はお金を愛しすぎたと思います。

お金は本来駄々の道具です。

本当に大切なのは一万円札という紙切れではなくて、

その向こうにある価値やイノベーションそのものです」

そうです、その人にとってどれだけ価値があるのか大事なんです。

「景気回復はリレーです。3本の矢ではありませんが、

次々とバトンタッチされなければならない。

設備投資や賃金までバトンが渡るのは後ろのほうになるのです」

少し長い目で考えないといけないということだ。

ただ、これまでのところ景気がよくなっている実感は特にないな。

実際のところ賃金にまで繋がるかは少々怪しいなと思っている。

最後にはエネルギーの話がある。

そうシェール革命である。

こればかりは一刻も早く実用化され安定供給まで至って欲しい。

昨今の原油価格はいったいどうなっているのだろうか。

レギュラーガソリンですら

いつの間にやら150円とか当たり前になっているし、

中東が調子に乗りすぎているのか、

それともWTIの仕業なのか、

高止まりするガソリン価格には嫌気がさしてくる。

燃料費も高いと光熱費への影響もあるし、

これでは来年、増税が始まったら

日本経済は立ち行かなくなるところまでくるだろうか?

それを回避するためには政府、企業、家計が

三位一体となって世界と戦える経済大国日本を

作り上げていかなければならないのだろう。

ともかく、大事なキーワードが随所にちりばめられている、

日本経済大転換に向けての準備として、是が非でも読んでおきたい一冊である。

2013年12月15日日曜日

池上彰の政治の学校、という本を読んだ。



さすがに教えるのがうまい、読みやすい、理解しやすい。

ここには、公明党と創価学会の関係を説明して

話題となった話もある。




どこかで、かつては年末年始のニュース解説か何かでも

新年を迎えたことよりも解説を継続したことによって

顰蹙を買っていたような話もみたことがあるが、

こういう揺ぎ無いスタンスがとても好きである。

なぜ日本の政治がうまくいかないかについては、

政治家が票集めに走る一方、

国民は幸せの青い鳥を求めているという、

言い得て妙な指摘をしている。

確かに、今度こそやってくれるだろうという期待が

いつも裏切られ続けていることも実感できる。

そしてインフレが進むと購買力が5%程度は下がることの指摘、

憲法9条改正に対する狡いカラクリ、

領土問題や選挙制度の仕組みの解説もあり、

うまくまとめられているので

興味深く引き込まれ、どんどん読み進めていくことができる。

また、民主主義の在り方を

アメリカ大統領選を引き合いに解説、

ころころ変わる日本の首相は十分な準備がないまま

総理大臣になるからお粗末なことが起きるという鋭い突っ込みもある。

あと特に面白かったのが官僚の解説のところである。

政治家を表に裏に支える存在としてとっても

プライドの高いヤツラなのだそうだ。

彼らの機嫌を損ねると国が動かなくなるほどの事態に発展するらしい。

ホントにそうなのか?

また、官僚の天下りが「組織を常に若返らせる」ための

実によくできたシステムなんだそうだ。

優秀でない官僚を定年まで省庁が面倒をみると

税金の無駄遣いになるそうだ。

就職先の斡旋など必要なかろうにと思うのだが、

そうすると国家公務員になりたい人が減って

優秀な人がいなくなってしまうので、

それはそれで問題だからと述べている。

そして最後にはポピュリズム政治からの脱却と

民主主主義を育てるためにどうするかと言う点にも触れ、

読者に問題意識を持つことの重要性を問う、

全般にわたってよくできている本だ。

今更の話になってしまったが、2013年夏の参院選前には

出会っておきたかった本である。

知識は次回の選挙にはぜひとも活用しようと思う一冊である。

2013年12月12日木曜日

虚構のアベノミクス 株価は上がったが、給料は上がらない、という本を読んだ。

ずいぶん昔の話になるが、超勉強法で有名になったあの大先生の本である。

つまるところアベノミクスがうまく機能していないということを

主張したいようであるが、若干難しい内容となっている。

しかも、文章の説明とグラフをリンクさせるのが

分かりにくくて難易度を高めているように感じた。

インフレ目標を達成できるか?に対しては

マネタリーベース、マネーストックが増えないので、

物価目標も達成できないという見方であった。

また、賃金は上がらないし、実体経済も改善しないという

この部分についても厳しい分析である。

ここで面白いのが、自動車業界のボーナス増額に対する詳細だ。

これは恒久的なものではなく一次的なものだというのだ。

報道では

「新興国などの販売拡大や円安進行によって業績が改善している」

といわれていたが、

実際は前年の落ち込みの反動や

エコカー補助金が起因しているのだそうだ。

実際エコカー補助金が終了した際は売り上げが落ち込んだらしい。

だから、税金が今回のボーナス増額の原資となったようである。

また、並々ならぬ企業努力の成果も反映したことも一因にあるらしい。

そのほかに自分自身に身近な電気料金の値上げについてだとか、

円安は企業利益をどう変化させるとか

国際暴落と金利高騰の危険の話とか

どうして行くべきかも述べられている。

日本経済建て直しの第一歩は教育である。

いい指摘である。

将来の日本を支える人材一人ひとりが正しい知識を

身につけ行動していかないと

いつまで経っても失われた時代が継続していくことになってしまう。

不安定な金融市場をウォッチしながらも

アベノミクスを理解するうえで、読んではおきたい一冊である。

2013年12月11日水曜日

金融の世界史 バブルと戦争と株式市場、という本を読んだ。

学生時代から歴史は好きになれなかったものだが、

やはり世界史が絡むととたんに

興味が薄くなってしまうのかもしれない。

ところで「兌換」って読み方は?

最初は読めませんでした...

だかん、交換することを意味するらしい。

そう書けば良いのにって違うか、

金融の専門用語だろうか?

こんな著者の問いかけがある。

「金融」というだけで何か難しいものだと

感じる人も多いのではないでしょうか?

はい、そうですね、

専門家だけが扱うものとして勝手に思い込んでいますよ。

確かに投信とかでも信託財産留保額?

何それ、はぁ?っという感じである。

ところで「金融」という言葉は英語のfinanceに対して

あてがわれた明治時代の造語なんだとか。

福沢諭吉の「西洋事情」の中に

金貨の融通を盛んにし世の便益なりとあるので

この「金貨の融通」を略して金融になったと思われるようだ。

そういう雑学チックなところは面白い。

金融とは、人間の欲が生んだ悪弊か?

それとも叡智の営みなのか?

シュメール人が発明したといわれる文字は

貸借記録の必要に迫られたものだったのだ。

ルネサンス期のイタリアに生まれた銀行・保険業、

そして大航海時代が自由な金融市場をもたらし、

国家間の戦争が株式・債券の基礎となった。

そして今日では進化したはずの国際市場で

相変わらずデフレ・インフレ・バブルが繰り返される。。。

金融史を振り返っても、私たちに分かることは

先行きの予測はまったく持って困難であるということだ。

読んだからといってお金持ちにはなれないが、

難しいといわれる金融を考えるためには少々の助けにはなると思う一冊である。

2013年12月10日火曜日

私たちはなぜ税金を納めるのか 租税の経済思想史、という本を読んだ。

ひょっとして、これはただの世界史か!?と思ってしまった。

- 税金 -

この言葉から何を連想するか。

何を買うにつけ毎日のように支払っている消費税、

(ついに、来年からは8%!!!)

毎月の給与から天引きされたり

年度末に収支を申告したりして収めなければならない所得税、

頭の痛い相続税、自動車税などなど、

税金にはさまざまな種類がある。

どんな税金であれ、現代の日本人にとって、

それは

「仕方なしに応じるもの」、

「できることなら負担を減らしたいもの」、

「何に使うか分からないけれども、とにかく納めなければならないもの」

といったイメージが強い。

えぇ、まったくそのとおりです。

おっしゃるとおり、激しく同意いたします。

これを読んで、その考えが変わったなどと思うはずがない。

納税は義務か、それとも権利なのか?

21世紀必読とはいえるかは難しいが税金論の本である。

私たち市民にとって、税金とはいったい何なのか?

国家にとって租税はただの財政調達手段に過ぎないのか、

それとも政策遂行手段なのか?

-世界の税制とそれを支えた経済思想の流れを辿り、

税の本質に迫るべき取り組みの本である。

世界史が好きなら読んでいて飽きないかもしれないと思った一冊である。
 

2013年12月4日水曜日

父は息子とどう向き合うか、という本を読んだ。

例によって図書館で、おっいいかもしれない?と思って手に取り

パラパラとチラ見して、よしいってみようというノリ で借りた本である。

プロローグの部分を読むととってもいいような気がしたのだ。

なぜなら、父と息子の関係は難しいっていうのだから。

13歳になってからどう接していくかが主題となっているようである。

私にはそんな年ごろの子どもはいないけれど、

まさに13歳からは段々と成長していく過程で、

思春期やら反抗期やらを親としての応じ方は悩ましいところだと思う。

かいつまんでいうと無理強いはよくないと言いたいらしい。

本書では、息子の進路について2つのコースが定義されている。

恐らくは大半がそう望むであろう

ノーマルコース(まっすぐ一段一段と進む)と

今の時代では珍しくもない

ジグザグコース(停滞しても、逸脱しても人生の階段を上る)

という2つだ。

おぉ、読み返しながら初めて気づいたわ!

という具合に、あとは随所にいいキーワードがちりばめられている。

例えば、

安定した人生などない、

求めれば与えられる、

急いで進め。

でも急いで進む路を決めなくていいなどである。

一番よかったのは「汚れっちまった悲しみに」という

中原中也の詩であった。

何か心を打たれたような気がしたのだ。

そして、どうしても謎だなぁと思ったのが

卒業証書の大切さを教える件のところで、

大切だという理由が

IDだから、

社会に出て効力を発揮する、

大卒が常態になった

という3つが挙げられている。

凡人にはこれで大切だと理解されるのだろうかと感じた。

少なくとも私には伝わってこなかった...

そのため、総じてあまり共感を呼ぶ内容ではないと思った。

ただ、最後に言ってはならない言葉っていうのを紹介させていただく。

これは誰もが、のど元までは出かかっているような言葉だと思うので。

「俺の給料で食わしてやっているのだ」

「おれはこんなに頑張っている。お前は何なんだ!」

うわーっ、ホントにポっと言ってしまいそうだ。。。

と気を付けたい警告と戒めの一冊である。

2013年12月3日火曜日

日本の景気は賃金が決める、という本を読んだ。

新書サイズなので小さいことが難点だが、図表がちゃんとしてるのが良いし、

筆者の宣言通り分かりやすく書いてあると思った。

景気対策が不十分だから賃金格差が広がったという理論である。

この賃金格差を表現するキーワードがまた面白く

 "男・大・正・長" で反対語は "女・小・非・短"

勘のいい人ならどういうことを意味するかは気づくかもしれない。

答えは男性、大企業、正社員、勤続長⇔女性、中小企業、非正規雇用、勤続短のことだ。

先の方は既得権益の受益者側の立場で、この後の方の属性に当てはまる

労働者の賃金を高くしないと景気は良くならないのだとか。

因みに既にガッツリ稼いでる人の給料がさらに増えても

幸福度にはつながらず、貯蓄のパラドクスとなるらしい。

本書で一番おぉ、成程ねと思ったのが、この理論を軸にした

日本経済を整理した賃金デフレは続く?の図である。

物価下落が企業利益を減らし、雇用悪化、賃金下落、格差拡大につながり

消費不足を引き起こし、更なる物価下落になるをことを表している。

そして、今まで金融緩和で景気回復を目論んできた人は、

この賃金デフレの悪循環の部分を考慮せず、物価下落と

不況というデフレの悪循環を断ち切ることだけにしか

注力してこなかったとの指摘である。

おぅ、それはいいこと言ったんじゃないだろうか。

あとは欧米のほうがパートで働く人が多いというデータとか、

賃金格差がずっと少ないとか意外な事実となる

データを引っ張りだしているのも面白い。

で、分析はいいけど一体どうするのってところが

書いてないなぁと思っていたら、何と最後の方に来ましたよ、

不動産バブルで景気回復大作戦。

まぁ、良いか悪いかは賛否両論なんだろうけども、

アベノミクスの3本の矢よりはよっぽど現実的な話にみえる。

1. 金融緩和から不動産価格を上昇させる
2. 公共事業を都市部に集める
3. 人口を都市部に集めてサービス業を充実させる

だだ、こういうのって国民一人がそう思ってもどうにも

ならんことではないだろうか。

それこそ本書を全国会議員に読ませ、考えさせるような対策をしないと

この国は救われないのでは!?などと思わずにはいられない一冊である。


日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)