トコトンやさしいという点について
実際どうだったのかというと、
正直なところこういった技術的な本はかなり難しい。
しかしデジタル化時代でもなお、アナログを使わないことはない。
特にオーディオ関連はそうではないだろうかと思う。
それにマイコンを極めし者を目指すのなら、アナログ回路を知っておかなければならない、
という思いから借りた本である。
それに惨敗続きのエンベデッド試験においてもこの辺りの知識を補完する事で、
ついに合格できる時がくる、かもしれない...
さて、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の人間の五感についてだが、
これらはすべてアナログでしか認識できないのだという。
確かにあらゆるデジタル電子機器は人間との接点はアナログなのである。
テレビ映像、ラジオなどの音声、スマホのタッチパネル操作、
これらを考えれば確かに納得できる。
今こうして書いている記事も、キーボードに触れてアナログ入力した文字が
デジタルデータに変換され処理されている。
パソコンは0、1の2進数のデジタルデータしか理解できないのだから当然だ。
そして、それがテキストエディタ上で文字として人間に理解できるように
再びアナログ変換され出力している、と、これはよくよく考えればスゴイ事である。
そんな技術の発展についての分かりやすい説明と理解が目指すところだ。
その中でおもしろかったところを紹介しておくと、音と波の部分と
そしてやはりコラムのところに注目したい。
まずは波といえば高校以来のサイン、コサイン三角関数だ。
当時は同心円とサイン波の関係とかさっぱり理解できなかったが、
振幅と波長と周期で音程と大きさに関連していることを合わせて考えると、
今更ながらに腹落ちする。
こうして断片的な情報が繋がって納得できるような勉強の仕方を
義務教育のうちに身に付けられる仕組みづくりが必要だと思う。
次にコラムの部分では蛙の足の筋肉収縮から生まれたボルタの電池、
何とかして電気を貯めたかったという実験から生まれたコンデンサや
数々の失敗から生まれた抵抗、オームの法則、電話器やテレビの発展に
大きく貢献した真空管の話など、こうやって先人の英知の結晶の恩恵に
与っていることに思いを馳せずにはいられないけれども、
後半になればなるほど専門性が高まってくると感じる一冊である。