出だしがなぜか「星の王子さま」の話だったので、
おや?と思ったが、読んでいくほどに
おもしろくなる内容だった。
おもしろくなる内容だった。
そもそも感性工学って何ぞやというところがあるが、
これは何かを見てわくわくするような楽しさや心地よさ、
面白さを感じることを突き詰めていく学問らしい。
このどこか心に引っかかるような印象を与えることが、
商品開発や店舗運営に活かされるのだという。
要は流行りの?ネットビジネスにおいても、
ブログやフェイスブックのヘッダ画像を
デザイン的にイケてるモノに変更したりとか、
コピーライティングのスキルを磨いて
読み手の心を震わせる文章を書くようなところが、
まさに感性工学そのものと言える。
人は物を選ぶときは結局「好き」「嫌い」で判断しているのだという。
それは商品スペックをチェックし、
実際に手に取り操作してみて使いやすかったとか、
単に持った感じが気に入ったであるとか、
デザインが良いとかの些細な理由で
最終的な判断を下す要因になるのだ。
本書の中で一番面白いと思ったのが、「白銀比」の話である。
世間一般で有名なのは「黄金比」だと思うが、
それは日本には当てはまらないようなのだ。
因みにそのまま「はくぎんひ」と読むので正しいらしい。
で、肝心の白銀比のバランスは1:√2だそうだ。
そして参考までに黄金比はというと1:1.618だ。
日本人が大好きな白銀比は実は身近なところにも
潜んでおりA4用紙とか京都の歴史的建造物の5重の塔や銀閣寺だとか、
キティやトトロ、アンパンマンといったキャラクターも
そういうバランスになっているらしい。
あと随所にある感性の名言というページもまた興味深い。
例えばデカルトの言葉では、人の考えを本当に理解するには、
彼らの言葉ではなく、彼らの行動に注意を払え。とある。
まさに、マーケティングそのものではないだろうか。
そしてさらに面白かったので紹介したいのが
蒸気機関車と新幹線の写真を見てどちらが速そうか?という質問だ。
機関車の方はケムリモクモクでとても力強い印象を受ける。
一方新幹線の方は洗練されたデザインでスマートな印象だ。
我々は勿論新幹線の方が速いことを知っているので、
何の疑問もなく新幹線を選ぶ事が多い。
一方外国人に同じ質問をしても同じ回答を得られるかというところだ。
蒸気機関車の方が速そうだという回答が大半でも全く不思議はない。
この写真の比較は是非試して欲しいところである。
他にも年間入場者数があのディズニーランドすら超えるという
イオンレイクタウンのデザイン秘話とか、
亀田製菓の柿の種のピーナッツ比のエピソードとか、
感性を形にする7つ道具と3つの技術まとめのように
おもしろ情報が多く見受けられる。
これからの物販には欠かせない概念であるし、
ネットビジネスのアフィリエイトスキル向上にも役立つであろう。
ヒトの感性に訴える高い価値をつけるには
どうすれば良いかを考えさせられるナイスな一冊である。