前回読んだ規制改革の本と若干内容が被っている部分もあり、
復習という意味でも問題の再認識に役立つ。
アベノミクスとは、結局オーソドックスな金融政策・財政政策を
やっているだけだという。
果たして、デフレ脱却で日本経済は甦るのかどうか。
それにしても結果が出るまでの2年待ちは長い。
本当に景気が回復したと実感できるか、それとも消費税増税によって、
またもや逆戻りとなるのか、何が正解なのかという結果はやってみないと誰にも分からない。
それはさておき、論点を読みながらも興味深いと思ったところを挙げておく。
まず激しく同意の格付けの話がある。
日本国債に不安はない、格付け機関の格下げに慌てるなとある。
確かに、格付け機関が何を根拠に日本の評価をしてるんだろうかという点は
ずっと疑問に思っていた。
やはりそれほど価値のある情報でないという認識は正しそうだ。
どうも報道に踊らされている感があるような気がしている。
そして次に、ここでも出た、医薬品のネット販売についての規制改革の話。
この本によると基本的には諸外国では認められているという。
ネット販売はトレーサビリティが高いため、万が一の不具合対応もできることから
対面にないメリットがあるのだとか。
但し、購入者と使用者が異なることもあるだろうから、その場合は
どうなるかは気になるところではある。
さらに、本書の中で在り方に疑問を感じたのが、電力問題の既得権益の話である。
日本の電気料金は、燃料費や人件費など費用に報酬を加えて設定する
総括原価方式なので、諸外国と比べて割高なのだという。
よって地域独占で原発を作れば作るほど電力会社が儲かるという
おかしな仕組みが成り立ってしまうのだ。
天下りに腐心する官僚がそうさせている、許しがたい事実である。
イザとなったら電気料金を値上げすればいいなどという理屈はあり得ない。
電力自由化はぜひとも実施しなければならない改革の一つのようだ。
あと意外な事実として知った日本の領土は世界61位なのに、
排他的経済水域を含む管轄海域面積が6位というのがある。
それだけ広いなら何か資源が取れそうなものだが、などと思ってしまう。
そんなわけで、日本の論点10個それぞれに対して
問題解決がいち早く求められていると感じる一冊である。