2014年4月26日土曜日

仕事のアイデアはみんなドラえもんが教えてくれた、という本を読んだ。





著者紹介に写真が載っていると、

読んで抱いたその人のなりのイメージと照合できて、

とても助かるような気がする。



自称リアルのび太というだけあってか、

見た目もちょっと似てるような...

さておきまずは意外なタイトルからだ。

たかだかマンガからそれほど学ぶべきところが

あるのだろうかと疑問に思うかもしれない。

しかし、これは凄いと思えるのがちゃんとドラえもんのひみつ道具と

リアルビジネスとの結びつきをしっかりと説明しているので、

もう間違いないというところだ。

おそらく本当に何回も読み込んで物語の本質を掴んだのではないだろうか。

誰もがアニメを観たり、

読んだことのある馴染み深さから余計にストーリィに引き込まれる。

何といっても実は非凡な才能を持ち合わせていたという

のび太の分析が面白い。

しかもリーダーシップ精神にあふれているらしい。

個人的にはそんな気はしていないのではあるが。

しかし、話を見ていくと確かにちょっとした工夫をしていたり、

実は商売のセンスもいいのだと感じることはあった。

ところで、これからの日本に必要とされる人材は

どんな種類か考えたことはあるだろうか。

本書では今6種類のビジネスマンがいると分類している。

それは

1.アベレージマン、
2.スペシャリスト、
3.マーケッター、
4.レボリューショナー、
5.キャプテン、
6.キャピタリスト

である。

やはり稼げる力のある人は3番以降のスキルを持ち合わせているようである。

この力をつけるための発想力に、

ひみつ道具を活用してみて「もし〜なら・・・できるのに」という

仮定法過去時制の人々の悩みを解決していこうというのが趣旨である。

これをみると今あるヒット商品もすべてが全く新しいものというわけではなく、

何かをアレンジしたりこれまでの仕組みを変えただけのものであったりとか、

ブームが過ぎ去った既存品でさえもツボを押さえたホンの少しの工夫があるだけで、

たちまちモノが売れるようになるというのがよく分かる。

こうなるとたとえ消費税が10%になったとしても、

どこ吹く風なのかもしれない。

気づいていないだけで、儲けの源泉は身近なところに

ゴマンと転がっているものらしい。

ここまで考え方と実例が述べられているので、

本当にドラえもんがとても参考になるのだと分かる。

自分とたいして年も変わらない筆者であるが、

教えてくれたというより、そこから掴めたセンスがまた素晴らしい。

あとここに掲載されていたのび太の起業家マインド名言をぜひともここで紹介したい。


「どんな事業でも最初から上手くはいかない。

この飛行機の本当のよさがわかれば、客は自然とつめかけてくる」


ここには新しいビジネスで最も重要なことは成功するときまで

決してあきらめないことであるという大事な気持ちが現れている。

これは本業以外の何かで収入の柱を増やすという大真面目な

取り組みにも通じるのではないだろうか。

まさにデキる21世紀型人間として大成するにはのび太のような

常識にとらわれない柔軟な発想と行動力をモノにしなければならないと思う。

今まで読書を続けてきて学んできたことである、

使えないものを使えるように、今できないなら

できるようにするためにはどうしたらいいか考える、

そんなビジネスマインドの復習に役立つので

これからも末永く手元に置いておきたい、言うまでもなく必読の一冊である。



2014年4月15日火曜日

「空気」の構造 日本人はなぜ決められないのか、という本を読んだ。




例えば何かの集まりで、みんな遠慮がちで

喋らないからなかなか結論を出せないとか、

誰かが口火を切るのを待っている、



そんな雰囲気を酷評してるのか!?と

若干の妙な期待とともに借りてみた本である。

読んでみていつも思うことなのだが、

こういった本の内容はとても学術的な話が長々と続くので、

結構ムツカシイですからねぇという印象を抱く。

その通りではあるけれど、

まず日本人の特徴としていいえて妙な文章があったので、ぜひとも紹介したい。

この社会においてタコツボ的な自立性が強く、

まわりの空気を読んで行動するため、

責任の所在があいまいで中枢機能が弱い。

部下が上司の足を引っ張る風潮が強く、長期的な戦略が立てられない。

なるほど最近の政治を見ていると確かにその通りかもしれない。

ところでこのタコツボという言葉、本書では随所に出てくる。

これはつまりヨコのつながりが乏しいタテ割り社会の構造を

分かりやすく表現しているらしい。

ちなみにそのように命名したのは、政治学の丸山眞男氏らしい。

では次に、この本で特に面白い・興味深いと思ったところを少し挙げていく。

まず、序章の「空気」が原発を止めたがある。

ここでは東日本大震災後から、

原発停止に至るまでの民主党政権および当時の菅直人首相の暴走っぷりである。

国民のヒーローを演じるも内閣支持率の低下を招く滑稽さ。

止めなくても良い施設を停止させたことによる損害の大きさもだ。

これもまた経済成長の停滞に一役買っていることは間違いない。

あとは読んでいて過去の過ちの痛々しさを痛切に感じずにはいられない、

日本軍の「失敗の本質」のところだろう。

目的の欠如した戦争で多くの人命が失われたのだとか。

何を失ったら降伏するのかという判断も誤り、

莫大な犠牲を出したとある。

敵が戦意を失って降伏するだろうというあいまいな願望で、

いくつかの戦場に分戦力が分散して惨敗を招いたこと多数など、

同じ失敗を繰り返したとは愚かしいことこの上ない。

過去に学び、これからも戦争など起こらない世界にしなくてはと強く思う。

さらに学ぶべきは注力するところを間違うと、

大失敗となるのはビジネスも同じということか。

あと、途中にある日本人の肖像のところも見逃してはならない。

福沢諭吉に始まり、最後には、

天皇の公務とは何だろうか、皇室はなぜ必要なのかなどと

ふとした疑問が頭をよぎり、モヤモヤ感が生まれてくる一冊である。


2014年4月11日金曜日

ハーバード式「超」効率仕事術、という本を読んだ。



予約したはいいものの取り置き期限中に

図書館に行けず、借りられずに終了

となってしまった本のリベンジである。



仕事のやり方は人それぞれあるけれど、

本質を学ぶにはまずは欧米人の知恵からも学んでみる。

と、前置きはコレくらいにして中身のほうを見て

どう思ったかを書いておく。

特にこれまで聞いたこともないような目新しいことはないが、

全体的にはできる人間のやり方を復習する意味でも

いい内容にまとめられていると感じた。

やはり仕事とは生産性を上げ、

できるだけ短い限られた時間内に成果を達成すること。

そして、それによって新しく作り出した時間で

また別の価値を生み出す何かを創造していく

というのがあるべき姿だと思われる。

もしくは、家族との充実した余暇という過ごし方も

一方では大切な事柄だろう。

では、筆者は一体どうやってそれを実践してきたのかが、

具体的事例とアドバイスとして記載されている。

一番大事なことは、目標を設定すること

そして作業の優先順位を明確にすることであると分かる。

あれもこれも全部一人ではとてもこなし切れないということだ。

後でやればいいやなどと思いがちなちょっとしたことは、

手間をかけずにすぐやるべきだというのも参考になる。

そしてぜひとも抑えて置きたいところは、

やはりPart3の個人のスキル向上法だろう。

我々は日常でたくさんの文章に触れる機会がある。

そこで文章の読み方(アクティブ・リーディング)を

マスターしておくことは、非常に重要と考える。

そこでは速読ではなく、能読(効率よく読む)のススメがある。

初めから全部キッチリ読む必要がないと分かれば、

長い文章もそれほど苦にならなくなるのではないだろうか。

そして、もう1つ重要なのがアウトプットの方法を身につけることだ。

いい文章の書き方と書き方についてのFAQもあるので、必読だ。

また、伝わるように話すにはどうすればいいか。

これはどんなことにも共通するが、実践しなければ意味がない。

後半では組織で働くには欠かせない

マネジメントについても触れている。

職場でいい関係を築くにはどうすべきか。

マネジメントするのは部下だけではなく、上司も対象なのである。

このようにプロフェッショナル思考を効率的に学ぶことができる。

ただ、一点だけ気に入らないところを挙げると、付録の部分だろうか。

もはや付録ではない長さなので、章だてでいいのではと思う一冊である。


2014年4月9日水曜日

人の意思決定の9割は「気分」 売れる商品は感性工学がある。 という本を読んだ。




出だしがなぜか「星の王子さま」の話だったので、

おや?と思ったが、読んでいくほどに

おもしろくなる内容だった。


そもそも感性工学って何ぞやというところがあるが、

これは何かを見てわくわくするような楽しさや心地よさ、

面白さを感じることを突き詰めていく学問らしい。

このどこか心に引っかかるような印象を与えることが、

商品開発や店舗運営に活かされるのだという。

要は流行りの?ネットビジネスにおいても、

ブログやフェイスブックのヘッダ画像を

デザイン的にイケてるモノに変更したりとか、

コピーライティングのスキルを磨いて

読み手の心を震わせる文章を書くようなところが、

まさに感性工学そのものと言える。

人は物を選ぶときは結局「好き」「嫌い」で判断しているのだという。

それは商品スペックをチェックし、

実際に手に取り操作してみて使いやすかったとか、

単に持った感じが気に入ったであるとか、

デザインが良いとかの些細な理由で

最終的な判断を下す要因になるのだ。

本書の中で一番面白いと思ったのが、「白銀比」の話である。

世間一般で有名なのは「黄金比」だと思うが、

それは日本には当てはまらないようなのだ。

因みにそのまま「はくぎんひ」と読むので正しいらしい。

で、肝心の白銀比のバランスは1:√2だそうだ。

そして参考までに黄金比はというと1:1.618だ。

日本人が大好きな白銀比は実は身近なところにも

潜んでおりA4用紙とか京都の歴史的建造物の5重の塔や銀閣寺だとか、

キティやトトロ、アンパンマンといったキャラクターも

そういうバランスになっているらしい。

あと随所にある感性の名言というページもまた興味深い。

例えばデカルトの言葉では、人の考えを本当に理解するには、

彼らの言葉ではなく、彼らの行動に注意を払え。とある。

まさに、マーケティングそのものではないだろうか。

そしてさらに面白かったので紹介したいのが

蒸気機関車と新幹線の写真を見てどちらが速そうか?という質問だ。

機関車の方はケムリモクモクでとても力強い印象を受ける。

一方新幹線の方は洗練されたデザインでスマートな印象だ。

我々は勿論新幹線の方が速いことを知っているので、

何の疑問もなく新幹線を選ぶ事が多い。

一方外国人に同じ質問をしても同じ回答を得られるかというところだ。

蒸気機関車の方が速そうだという回答が大半でも全く不思議はない。

この写真の比較は是非試して欲しいところである。

他にも年間入場者数があのディズニーランドすら超えるという

イオンレイクタウンのデザイン秘話とか、

亀田製菓の柿の種のピーナッツ比のエピソードとか、

感性を形にする7つ道具と3つの技術まとめのように

おもしろ情報が多く見受けられる。

これからの物販には欠かせない概念であるし、

ネットビジネスのアフィリエイトスキル向上にも役立つであろう。

ヒトの感性に訴える高い価値をつけるには

どうすれば良いかを考えさせられるナイスな一冊である。