まず、「はじめに」対して突っ込みを入れてみたい。
金儲けのノウハウ本と思って手に取る人なんて
いるのだろうかということを。
タイトルからして全然そんなことと結びつかないよ! と申し上げておきたい。
それはさておき、内容としてはかなりいい物だったと思う。
メディアも評論家も嘘つきだらけ。。。
そうですね、よく言われている事柄だが、
自分自身で情報を正しく判断できるようにならないといけないですよ。
格付け会社について、どんだけ偉いのよ!
みたいな突っ込み理論はまさに痛快であった。
ただ、個人的には前日銀総裁の白川氏を大絶賛の部分に関しては、
読んでみてもなかなか同意できなかった。
あと、とても参考になると思われるのが、円高擁護のところだろう。
まさに円高が悪しきものみたいに騙されていたのか?と考えさせられる部分だ。
価値を生み出せば、自国通貨が高く評価されるのは当然なのだ。
円安では喜べないという事実をキッチリと認識し、
日本経済復活のチャンスを逃すなと述べられているので、
国民一人ひとりが何が正しいのかを吟味していく必要性を感じる。
その他にも今は消費税を上げるべきではない話とか
アジア経済を読み解くコツだとか、読んでて楽しめる部分が結構あった。
で、ここまで色々と指摘事項を並べてきた肝心のぐっちーさん、
あなた自身は実際何かしているんですか?という疑問が出てくるわけなのだが、
そこはきっちりと明らかにされていた。
それが岩手の町興しである。
端的には嫌らしいイメージに捉えられてしまう考え方だが、
「地方再生=金儲け」という本質を捉えた論理を展開しているのだ。
確かに生きるためのビジネスは儲からないと成り立たない。
日本の今後を真面目に考えると、労働人口が減り税収減は不可避の事実である。
自分たちの金は自分で稼ぐ、この発想は大いに共感できる。
そこで刻み込んでおきたいキーワードが
「金を生まない建物は墓石と同じだ」
というアメリカの大学の建築学科での教えだ。
これは商業施設のありかたとして、的を射ている。
金を生まなければ維持管理費だけがとんでもない負担となるだけなのだ。
建物が金を生み出すツールである、とはまさになるほど納得だ。
第5章日本企業が生き残る道について、
ここは誰もが肝に銘じるべき内容が満載だと思ったので間違いなく必読だ。
そして、本書で発見したもっとも意外なところと言えば
特別対談が3本あるのだが、最後の一人がまさかの!?押切もえ氏なのである。
何故そう思ったかというと、以前朝のニュース番組でファッションイベントで
番宣をやってくれという類の依頼に対して、蛯原友里氏は快諾した一方で、
彼女はゴネていたのを見たことがあるからた。
申し訳ないが、モデルなのに...などという偏見をもっていたことを
ここで訂正させていただきたい。
しかも彼女自身がちゃんと前を向いて将来を見据えた
学びに取り組んでいるという事実を知った。
おそらく一生会って話すようなことは無いのかもしれない
ファッションモデルとはいえ、終わりのない学びという
同じベクトルに向いている人間をまた一人発見し、
改めて自分も頑張らなければならないと決意できる、掘り出し物の一冊である。