今今独立起業ということを思い描いているわけではないが、
会社で仕事をしていくうえでも「個」の力はとても重要だと
認識しているし、そういった力をつけるためのヒントが
得られるのではなかろうかと思って借りてみた本である。
その内容は会社を辞めてフリーになればこんなに稼げます。
そのためのノウハウをお伝えします、さぁ今すぐ始めましょう云々
みたいな有りがちな話ではない。
その点は少し意外に感じたとともに、準備ができるまで己の武器を鍛え続けなければ、
まちがいなく失敗する。
できれば今のままを維持した方がよい、独立起業はそんな甘いものではない、
この世界を舐めたらアカンぜよとまで言い切っているので、
キチンとした構成になっているのではないだろうか。
メリット、デメリットを明らかにしないと信用は得られないというのをどこかで見たことがある。
そしてまずは、とりあえずは有名なソリストたれ!に始まる。
やはり近頃の流行りは、個人で稼ぐ力をつけるということか。
本当に力があるならば、何をするか?どうやって生きるか?ということは
自分で自由に決めることができる。
この自分主体の生き方を可能にする力を「自在力」と定義している。
また、自由の定義も格好がいい。
「自由とは、好き勝手に生きることではなく、いつでも決断できる準備が整った状態のこと」とある。
そして後の章では肝心の自在力についてをより具体的事例とともに解説している。
特におもしろいのがWebサイトのアクセス数を減らせ、無駄なSEO対策は不要であるという、
これも今流行りとは逆行する提案で成果が出たということだ。
目標は持つな!とは一見何だそれ、と異論を唱えたくもなるかもしれない。
しかし、実は収入を増やす!などという目標っぽい欲は、ただの状態であると述べている。
なるほど確かにそう、収入を増やした後にどうするか?
どういう自分でありたいかというところまで踏み込んで考えなければならないのだとわかる。
そうやって目の前にあることを一つ一つ確実にこなし、
社外でも通用する「技」を身につけなければ、
この先到底結果を出すことはできない。
会社という肩書がなくても、自分の強みをしっかりとアピールしないと
やりがいのある重要な仕事を得るというチャンスすら掴むことは難しい。
あとどうしても必要になってくるのが人脈である。
イザという時の頼みの綱は、やはり手を差し伸べてくれる人だとある。
人との繋がりがなければ、意味がない。
まとめとしては、少なくとも自分名刺は作った方が良さそうな気がする一冊である。